同じ話を何回もするおじさん

同じ話を何回もするおじさんの話をさせてもらう。

私の職場では全体で25人程度の従業員がいるが、私の部門は基本的にこのおじさんと私と二人で働いている。デスクはおじさんと対面で、なおかつ他の部門からは少し離れた位置にある。そのため、おのずと職場ではこのおじさんとの会話がメインとなる。

このおじさんはなかなか弁が立ち、映画、音楽、漫画などのポップカルチャーにも明るいため、私はおじさんのことを好ましく思っていた。そろそろ一緒に働いて2年ほど経過する。

 

完全に飽きた。

 

もう最初に提示してるが、このおじさんは同じ話を何回もする。

The Policeのライブツアーはストイックという話」「なんか知らんスタジオミュージシャンの話」「近藤ようこの話」「チーズフォンデュの話」「ジプシーのギタリスト(名前忘れた)が公演2時間前に靴を買いに行ってた話」「イーロン・マスクはすごい話」「レッド・ツェッペリンの溢れ出る体力の話」「藤子不二雄Ⓐのヒットラーおじさんの話」「劇場版妖怪ウォッチの話」など多種多様なバリエーションに富んでいる。それぞれの話は結構面白い。

でも完全に飽きた。なんでか分かりますか?

 

聞いたことあるからだよ。

 

飽きるだけならまだいい。

だんだん初めて聞いた風を装うのが難しくなってきた。これが最大の問題。知ってる話を知らない体で聞いてあげる、というのは社会人において最も重要なチンカスマナーのひとつだが、4回目の話も知らない体で聞いてあげるというのは本当に正しいことなのだろうか?「それ前も言ってましたよね」人としてそう言ってあげたほうがいいのか?「へぇ、そうなんですね~~~」と白痴のごとく返答するだけの会話は健全なコミュニケーションではないことぐらい私にも分かる。孤独なババアが買う音声認識の喋るぬいぐるみじゃねえんだ。

最近はニンテンドースイッチの「ゼルダの伝説ブレスオブワイルド」にハマっていて、その話しかされない。私はプレイしていないのであまり分からない、という旨もちゃんと説明したのに。知らないのよ本当に。雪山は寒いから事前にメシを食っていかないと体力が減っていくらしい。いや知らん。もう許してよ。

上記のようなジレンマに苛まれ、おじさんの話が始まると後頭部あたりが引っ張られるような妙な感覚が生じるようになった。

え?なにこれ~~~????こわ~~~なんの症状これ~~~~~~?????

これは社会人としての資質を試す審査なのかもしれない。だとしたらもう殺してくれ。社会人落第です。毎回「この話ゼミでやったところだっ!!!!!!!!!!!」と叫び、窓ガラスをブチ割って、1000匹の鳩を空に放ちたい衝動に駆られる(平和の象徴だからね)

 

施川ユウキの「バーナード嬢曰く。」(最高の漫画)で下記のようなやりとりがあった。

ショートの娘は町田さわ子、ロングの娘は神林しおりという。神林はSFマニアで、熱くなるとつい喋りすぎちゃう可愛い女の子なのだ。そしてこの後、町田さわ子は「何度でも聞くよ?」と言ってあげるような心優しい女の子なのだ。

このエピソード、めちゃめちゃ分かる。私もそうだが、多分おじさんも結構オタクっぽいところがあって、少しでも話ができる相手がいると嬉しくなってしまうのだろう。私だって同じ話をしてしまうことが多々ある。

でもおじさんは神林しおりじゃない。その上、私は町田さわ子じゃない。

じゃあ別に引き合いに出す必要なかったわ。もう知らん。

 

でも、好きなエピソードトークもある。

おじさんが若い頃、友人と長野に旅行に出かけた。特にプランもなく、暇を持て余したふたりがあてもなくぶらついていると、遠くの河原に鮮やかな装飾が広がっているのが見えた。「祭りだ!」ふたりは駆け出した。

 

 

 

 

 

 

やっていたのは水子供養だった。

 

この話は何回聞いてもいいなと思う。

でもそれだけ。精神の限界は近い。狂いそう。

 

孤独なババアが買う音声認識の喋るぬいぐるみ「おしゃべりみーちゃん」はアマゾンで13500円だった。へぇ、そうなんですね~~~。

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